声明・発表資料等

〈声明〉

2023年1月5日

女性労働問題研究会常任委員会一同・同研究会代表竹信三恵子

 女性労働問題研究会常任委員会は、2022年12月21日に日本学術会議から発表された声明 「内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(令和4年<2022年>12月6日)について再考を求めます」に賛同するとともに、学問の自由を脅かしかねない政府の方針の押しつけに対し、見直しを強く求めます
 

(参照)
日本学術会議(声明)2023年12月21日
声明 「内閣府「日本学術会議の在り方についての方針」(令和4年<2022年>12月6日)について再考を求めます」
 詳細はPDFをご覧ください  ⇒ PDF


    「日本学術会議」への学問の自由を侵害する政府の介入に抗議します
 私たち「女性労働問題研究会」は、会員に、男女の社会科学系の学会員、研究者、弁護士、ジャーナリスト、公務員、教員、企業の労働者、各分野のフリーランサー、退職者などを擁し、「女性労働、女性問題を科学的に解明することを目的とし、(中略)生涯をとおしたエンパワーメントをめざす」(規約第3条より)70年の歴史をもつ研究団体です。
女性労働問題研究と関係が深い「社会政策学会」の会員が多いことから、「日本学術会議社会政策関連学会協議会」に登録し、担当委員を送っています。
 このたび、菅首相が日本学術会議選考委員会の議を経て推薦された次期会員のうち6人の任命を、理由も示さず拒否をしたことには、怒りを禁じ得ません。
 日本学術会議の会員の任命に総理大臣が監督権を行使し、意のままにするということでは、日本学術会議はもはや政府に対して提言し、勧告する独立した機関としての性格を失ってしまいかねません。そのような事態を招く今回の措置は、日本学術会議の存続を危うくし、学問の自由を脅かすことにつながるものです。学問は本来、批判的性格を持つものであり、それでこそ独立した提言も成立することができると私たちは認識しています。
 さらに当研究会は、菅政権の今回の介入が、政府が掲げてきた「女性活躍」の真の実現をも妨げるものと考えます。
 現場で働く女性と研究者が連携し、女性の人権にもとづいた働きやすい社会を作ることを目指してきた当研究会は、さまざまな研究活動を通し、女性労働に対する軽視や蔑視を取り払うことなしに女性の活躍はないことを実証してきました。そうした活動は、先入観を排し、忖度なく実態に即した研究ができる自由と、これをもとに率直に政府に政策提言していける条件の保障なしではありえません。また、そのような研究と提言なしに女性が真に活躍できる政策作りは困難です。
 上記の理由から、当研究会は、今回の介入を直ちに取り下げていただくよう、強く政府に要請します。

2020年10月6日
女性労働問題研究会常任委員会一同/同研究会代表・竹信三恵子